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2013年4月 4日 (木)

映画「桐島、部活やめるってよ」感想

同人の後藤です。久しぶりにDVDで観た映画の感想を書きます。

映画『桐島、部活やめるってよ』ようやく観たよ。
ようやく!これはねー、2012年を代表する映画として散々イイ評価が世に溢れてるよ!
だからそれを今観るのは、ある程度のレベルでイイのはわかった上で、
この上がり切ったハードルの中自分がどこまで乗れるか、確かめる感じになるよねー。

で、僕は乗ったよ!乗った。
乗ったけど…他の映画とは起こされる感情がちょっと違った。
何かを突き出された感、で、お前は?ってなにかを問われた感がありあり。
若干苦いくらい。
これまでの映画、特に邦画とはレイヤーが違ったというか…
なんでそう感じたかを自分なりに考えてみたよ。

作家の星野智幸さんは小説について、
具体的な事象を考え、一旦抽象化し、それをまた具象の出来事に還元する作業(略)としてる。
これはつまり、特定の出来事に他の多くを象徴させるということで、物語全般に言えることかなー思う。

この映画ではまず、その象徴化が多層的になされ、とてもうまく行ってると思った。
世の中を学校という空間に象徴させ、またその学校は皆の学生生活すべてを象徴してる。
そして、だからこそ、自分が学生であるかを問わずいろんな人のいろんな時き期の立場や思いを、
各々の登場人物が象徴してる。
物語のどこか、もしくはすべてに自分がいるっていう構造になるわけだ。
それが出来たのは説明を限界まで省いた脚本と、
なんと言っても、それでも物語を成り立たせる演出、演技だと感じたよ。
作品として全然わかりにくい印象がないもん。
それはスゴイこと。
これはあくまでマスをターゲットにした「楽しい」映画なんだから。

いろんな視点から舞台を立体的に描きながら
(最初はすわビューティフル・ドリーマー・うる星やつらかと思ったもの)
それでも立体の中心には大きな余白がある。
それは桐島が出てこないという意味じゃない、映画的な余白。
それが観る人へ独特な感情を生んでるのかなー。
これは映画にしか出来ないことで、稀有な映画体験だったよ。

内容については一点だけ。
大好きなものと何かの形で「繋がっている」人の強さ、
それがある時点での勝ち負け(と言っちゃうとなんか軽いんだけど…)
とはまったく独立してることがひとつのテーマと思った。
けどそれは、その文字通りの事実を語ってるだけで、
それ自体救いでもカタルシスでもなんでもない。
でもそれが「救いではない」とか言ってる時点で
既に自分は救われない側にいることになるような気がして…わー!
とにかく観てよかった!映画として。
邦画としては個人的には「太陽を盗んだ男」レベル。
これから日本の「物語」を語る上で、観て無いとは言ってはいけない映画と思う。
好き嫌いとは違うレベルでね。
お勧めじゃなくて未見の方は必須として積観リストに入れて欲しい作品です。

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